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病気自体の原因ははっきりしていませんが、腫れを繰り返す原因は口の中に住んでいる弱い細菌(常在菌)だろうと言われています。炎症の予防のためにはきちんと歯磨きをしたり、うがいをしたりして口の中を清潔に保つことが大事です。虫歯も治療しましよう。慢性扁桃炎や、慢性副鼻腔炎がある場合も治療が必要です。
耳下腺が腫れてしまったときは、細菌の感染が起きている状態と考えられますので、抗菌薬を内服します。また、抗菌薬による耳下腺洗浄も有効です。
(3)唾石
唾石はほとんど顎下腺にみられ、まれに耳下腺にできることがあります。唾石により唾液の流出が妨げられるために起こる食事時の痛みと顎の下の腫れが主な症状です。痛みと腫れは食事後は軽快しますが、食事ごとに繰り返しみられます。この場合は、急性期は症状が強く出ますが、慢性化して腺の萎縮が起これば、痛みや腫脹は軽度になることもあります。
時に、唾石による唾液の停滞によって二次感染が引き起こされ、口腔底や顎下腺に炎症が及ぶと、激しい痛みとともに発熱や悪寒などの全身症状を伴うこともあります。さらに頸部に炎症が広がり、嚥下痛、嚥下障害、開口障害など重症化することがあります。