外傷性鼓膜穿孔について
耳掃除の最中に子どもがぶつかったり、手を壁などにぶつけて鼓膜を直接傷つけて穴をあけてしまうのを直達性鼓膜穿孔と言います。また、鼓膜の内外への急速な気圧の変化のために鼓膜に穴があく場合を介達性鼓膜穿孔と言います。これは耳をたたかれたり、ボールが当たったり、剣道、相撲で竹刀や張り手が当たったり、水上スキー、サーフィンで耳が水面にたたきつけられたり、ダイビング、飛行機で急に気圧が下がったり、強く鼻をかんだりする場合に起こります。 鼓膜は薄い膜(厚さ0.1mm)であるため、比較的簡単に穴が開いてきこえが悪くなったり、耳が痛くなったり、出血したり、場合によってめまいが起こるなどの症状が出てきます。 予後と治療 は、小さい穴では(特に子どもの場合は)数日でふさがってしまうことが多いです。比較的大きな穴でも自然にふさがることが多く、その期間は一般的には数日〜数ヶ月程度です。ただし耳に水が入り、開いた穴から細菌が感染して中耳炎になると、耳漏(耳だれ)が出てきます。耳に水が入らないように注意するとともに耳鼻咽喉科での治療が必要となります。 3ヶ月以上たってもふさがらないときは、鼓膜をふさぐ手術が必要になる場合もあります。また、鼓膜の内側の耳小骨が損傷されていると、鼓膜の穴がふさがってもきこえが元に戻らないことがあり、その場合にも手術が必要になります。 また耳小骨が外れて、耳の奥の「内耳」の中の液が漏れる「外リンパ瘻」になってしまった場合は、めまいが起こり、きこえもかなり悪くなり、すぐに手術が必要になることもありますので、早めに耳鼻咽喉科の診察を受けましょう。 外傷性鼓膜穿孔を起こさないためには、最も多い耳掃除中の事故を防ぐために、耳掃除をするときには周りに小さい子どもがいないか確認してから慎重に行うことが必要です。また、子どもが親のまねをして耳かきで突き刺すことも多いので、小さな子どもの目の届くところに長い棒、耳かき、綿棒などを置かないように注意することも必要です。 |
|