ダイビングをする時の注意点について


 最近は高校の修学旅行でダイビングをする機会が増えてきています。また、海外旅行に行って、家族で体験ダイビングをする機会も増えているようです。ダイビングにはスイミングとは全く違う注意が必要です。楽しく安全なダイビングをするためには、事前の健康チェックと正しい知識が必要になります。
 てんかんなどの神経系の病気、心臓病、喘息、頭部外傷、耳の手術などの既往がある場合には、担当の主治医の診察を受けて、ダイビングが可能かどうかチェックしてもらう必要があります。
 いずれにせよ、ダイビングをする前には、きちんとダイビングインストラクターの説明を聞いて、ダイビングが可能かどうかのメディカルチェックを受ける必要があります。また、ダイビングをする当日の体調を整えておくことも大切です。
 かぜをひいて黄色い鼻汁が出ていたり、鼻がつまっている時は、潜っていく時に耳抜きができなかったり、耳抜きが原因で鼻内の細菌が耳に入ってしまって中耳炎を起こす可能性があります。ひどい鼻かぜを引いている場合や、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などで症状がある場合は耳鼻咽喉科医の指示を受けましょう。
 滲出性中耳炎、副鼻腔炎(ちくのう症)、重傷のアレルギー性鼻炎などで耳鼻咽喉科に通院中の場合も、主治医に相談をして指示を受けることが必要です。病気の状態によってはダイビングができない場合もあります。耳鼻咽喉科での治療をきちんと続けることも大切になります。
 小さい頃に中耳炎を繰り返していた場合は、現在症状がなくても、事前に耳鼻咽喉科の診察が必要です。何回も中耳炎を繰り返していて、鼓膜が薄くなっているとダイビングができない場合もあります。同様に、中耳炎などで耳の手術を受けたことがある場合も耳鼻咽喉科の診察が必要です。ダイビングをしないほうがよい場合もあります。この場合でも、ダイビングではなくシュノーケリングを楽しむことはできるでしょう。
 ダイビングに関する重大な病気としては、いわゆる潜水病といわれている減圧症があり、直接命にかかわることもあります。耳鼻咽喉科に関係するものでは、内耳型減圧症や外リンパ瘻などめまいや耳鳴、難聴などをきたすものがあり、適切な処置(手術になることもあります)がされないと、一生、症状が治らないばかりか、ダイビングもできなくなってしまうことにもなります。
 ダイビングを楽しむためには、ダイビングに対する正しい知識と、自分の健康状態の正しい把握が必要です。無理のないダイビングを楽しみましょう。